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SteelGirl はるみん、3話、対決!!サイボーグVSパワードスーツ part4

2010/02/05 20:57
 GTX団、最高幹部会議。GTX団の全容は固い企業秘密のベールで包まれており、ギガテックス五千人と関連会社1万人以外に、その本当の姿を知るものはいない謎の組織である。
 その幹部会議をまとめるのが社長………じゃなくて議長ゴールド。深い経験と年齢に似合わない鋭い考察は、たびたびGTX団の要として発揮されてきた。そして、例の少女は幹部の最高位として君臨しているのである。
 議長ゴールドが立ち上がると、幹部とその取り巻きが一斉に立ち上がる。そして胸に手を当て、GTX団に忠誠を誓う。
「そろったようだな、我がGTX団の最高幹部会をそろそろ始めるとしよう」
「はっ!!」
 全員が手を上げて忠誠を誓うのをみると、ゴールドは大きく頷いて腰を下ろした。それをみて幹部も席に戻っていく。
「それでは海外侵略の進捗報告から始めてくれ」
「了解しました」
ピンクのレオタードに身を包んだ秘書が直立不動で分厚い書類を手に取った。
「まず、海外支部からの報告を読み上げさせていただきます。ワシントン支社………支部から、米軍の受注によるロボット整備にあたり、整備員の名目で米軍の中枢に工作員を潜入させることに成功。米軍幹部の中からGTX団の協力者を作るために現在工作中とのことです」
「中国支部では………」
「………」
 次々に報告が進んでいく。
 少女ブラックは国内の実戦部隊を率いている。彼女に任せられた任務は、この実戦部隊で国内に拠点を作ることにある。やがて少女の報告が始まる。
「次は実戦部隊の報告です。幹部ブラック、報告を」
「はっ」
 少女と木原が立ち上がった。木原が丁寧に記した報告書を読み上げていく。
「n県m市の拠点確保は残念ながら失敗。はるみんと名乗った謎の娘に阻止されました。そのため、別の作戦でいくつかの拠点を確保しようとしましたが、採石場では地元作業員による抵抗があり断念。また廃工場での作戦では、2機のGTXロボットを投入したものの、はるみんと名乗る敵が再び現れ、敵大型ロボットにより阻止されました」
「失敗か?」
「は、申し訳ありません、次は必ず敵を倒してごらんにいれます」
 二人はゴールドに向かって深く頭を下げた。後ろから見ると、黒いコスチュームの間からやわらかそうな大きいお尻と小さいお尻がのぞいていて、なかなか壮観である。
「うむ、期待しておる、これ以上失敗を続けるわけにはいかん、そのはるみんとかいう敵を打ち破るのだ、良いな」
「はっ、」
 ゴールドが小さくうなずいた。しばらくの静寂のあと、突然その静寂が破られる。
「幹部ブラック、貴女のやり方は少々稚拙に過ぎるのではないですかな」
「なに?」
 視線がある一画に集まる。その言葉の主は真っ赤な軍服であった。その色に気づいた少女は、馬鹿にしたように肩をすくめた。
「誰かと思えば労組委員長、いやレッドではないか。貴殿の考えるほど実戦は甘くないぞ。頭で思想を振り回し現実を見ぬ者が、そんなことを言う資格があるとでもいうのか」
 当然予想された返事に、レッドは大げさにため息をつく。
「いやいや、貴殿こそまだ経験が浅い。戦闘員を管理する立場から言えば、大事な戦闘員を無駄に消耗するのは、いささか作戦に問題があるとも思われませんか?、ブラック幹部殿」
「ふん、私とて戦闘員を無駄に消耗するのは本意ではない。現に先の戦いでは私自身が戦いに赴き、敵に対していささかのダメージを与えた。今度こそは我が先頭に立ち、敵を仕留めてみせる。文句があるか」
「文句などありませんよ。せいぜい貴女が捕まったりしないことですな。筆頭幹部殿が敵に捕まって、惨めに泣きながら我らの秘密をぺらぺらと吐かれてはたまりませんからね」
「そんなことはありえん、馬鹿にするな!!」
 少女が机を叩いた。一色触発の空気の中、ブラックとレッドが互いに火花を散らした。その激しさに会議室の全員が息を呑んで見守る。
「………」
 この先ここで戦いでも始まろうかという剣幕に、会議室は水を打ったような静けさになる。その中で、一人が小さく手を上げた。
「よろしいですか、ゴールド」
「うむ。発言を許可する」
 議長ゴールドに発言の許可を求める。戦いが始まるよりはマシと、ゴールドは発言を許可した。
 「恐悦至極に存じます」
 ゆらりと立ち上がって、議長に深々とお辞儀をするのは、全身緑色のタイツ男。股間の盛り上がりがちょっと気になるが、すらりとしたやせ形の体を軽く回して、踊るように少女の方に顔を向けた。
「ブラック、貴女がやっている実戦に私は以前から問題があると思っていたのです」
「どういうことだ」
「今は、もう実戦には何の価値もないと申し上げたい。戦いなどしなくても、我々の進めているエコプロジェクトで、国などいくらでもコントロールできる。エコと称して少しばかり小型の安物を出せば、エコでも何でもなくても、大衆の無知な豚どもは先を争ってあつまり、我らはいくらでも金を巻き上げることが出来るのだ。インターネットでちょいと情報を流すいくらかのノウハウがあれば、政治でも経済でも好きなように出来るのだ、実戦などする必要があるのでしょうか」
「う、うぬ」
 少女が詰まった。それを引き取るかのように木原がつなぐ。
「申し上げます」
「ああ、ブラックの秘書殿ですな、どうぞ」
「恐縮です」
 木原はグリーンとゴールドに会釈をすると口を開く。
「幹部グリーンには、常日頃から環境問題で大衆を手玉に取り、GTX団の活動を容易にすること、いつも感謝しております。しかしあくまでも大衆を支配するのは、最後には力だと考えます。捏造や虚偽による大衆の扇動は、裏を返せば、国家権力も同じように都合の良いプロパガンダを流布出来ると言うことでもあります。そのため、最後には国家権力を力で倒さなければなりません。そのためにはまだ長い道のりが必要でしょう。その対峙している間、我々の組織を維持するためには、国家権力の持つ力と対抗できるだけの力を持って担保しなければなりません」
 グリーンは眼鏡を上げた。
「ふむ、少しは考えておられるようですな、しかし、現状、国軍は縮小され続けており、いざ有事があっても投入できないのが現状。警察などは烏合の衆で、ロボットの一台でも出せば抵抗など出来る物でもない。それでも実戦が必要かな」
「まったくです。まさに国家は堕落している。私自身はこの国に愛着など持っていない。我らGTX団は、さらに国の枠組みを超え、愚鈍な大衆を導き、人が人としてあるべき世界を創造するためにあるのです。しかし、それならなおのこと、国に成り代わる力が必要だと思われませんか」
「その貴女の言う力が、はるみんとかいう娘に負けたのですよ、それに何の意味があるのですか」
「それは………」
 木原の言葉が止まった。
「答えられないでしょう、所詮あなたたちがやっていることは自己満足の遊びでしかないのですよ」
 グリーンがゴールドに目を向け、手を上げる。
「なにかな、幹部グリーン」
 ゴールドに頭を下げると、グリーンが勝ち誇ったように宣言する。
「提案します、今後我らは情報、経済に戦いの主力を移す。そして実戦部門は廃止する、この提案の議決を要請します」
 会議室の中がざわめいた。
「ま、まって」
 無表情のグリーンが始めてにやりとする表情を見せる。
「なにか異存でも?」
「それはいくら何でも乱暴ではないですか」
「乱暴をするのは実戦部隊の仕事で、我々ではありませんが?、それにあくまでも私は幹部会の手順に乗っ取って話をしているのですよ、筆頭幹部とはいえ、それに異を唱えられては困りますなあ」
「そ、そんな」 
 少女は目の前で起こっている出来事が信じられなかった。両親の恨みを晴らす唯一の機会が遠ざかっていくのだ。
 再び議決を取ろうとするグリーン、しかし、それをゴールドが静かに制した。
「幹部グリーンの考えはよく分かった。だが、大幅なGTX団の方針の変更は、他の多くの幹部達にも考慮する時間が必要だろう。議決は次の幹部会まで時間を空けてはどうか」
「はっ、議決を行なうのであれば異存はありません」
 グリーンが答えるのをみて、ゴールドは再びブラックに目を向けた。
「ブラック、それまでにはるみんを倒して拠点を作り、実戦が役に立つことを見せるのだ、それが出来なければ、分かっておるな?」
「は…はっ、感謝します」
一瞬意識がなくなったブラックは、あわてて手を上げた。
「感謝します、ゴールド、近いうちに必ずはるみんを倒し、我らの支配基地を作ってご覧に入れます」
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SteelGirl はるみん、3話、対決!!サイボーグVSパワードスーツ part3

2010/01/25 19:11
part3

 ここはギガテックス社の社内である。毎週水曜日の夜に行なわれる取締役会の定例会議が終わり、役職を持った取締役がぞろぞろとあふれ出してくる。そのなかに例の少女も混じっていた。彼女を前後から守るのは、秘書兼メイドの木原とご学友の相沢。スーツを決めた木原の横で、学業院の制服を着けた謎の少女と相沢が一緒に歩いていく。
 「次は9時からです。今の内にお食事されたほうがよいかとおもいますが」
 「いや、食事は後にします。それよりメイクを念入りにお願い、幹部の動きがきな臭いから、なめられちゃいけないわ、主導権を取られないようにしないと」
 「わかりました」
 3人は同じ本社ビルの最上階に用意されている彼女専用の特任幹部室に向かった。

 謎の少女、彼女はギガテックス社の筆頭株主であり、理事会の特別役員である。完全に支配下に置くために、理事長となることも可能と言えば可能だが、わずか16歳の少女が経営の最高責任者という肩書きを持っても、たいした役には立たない。今の理事長は祖父と関係が深い知り合いの大御所である。彼は少女を良くかわいがってくれるもう一人の祖父のような存在であった。

 「それじゃ、あとはお願いね」
 「はい、分かりました」
 念入りにメイクを済ませた少女と木原は、黒のコスチュームを身につけている。少女の黒のコスチュームからまぶしくのぞく白い肌と、木原のそろそろ肌の露出がきつくなり始めている豊満な美しさは、少なくとも男性陣にとっては破滅に近い攻撃力を持っていた。
 「行ってらっしゃいませ」
 「がんばれー」
 ご学友の相沢と運転手の黒田が二人を見送った。彼女ら二人もGTX団の有力な団員である。見送っていると、たまたまそこを通りかかったギガテックスの社員が、ぎょっとした態度で立ち止まったが、まだまだ物を知らない、入ってから日の浅い社員であろう。


 新入社員ではめったに訪れることもない本社ビルの上層階。社長や役員など経営執行役員が居るこれらのフロアは、仮に新入社員A君、としておくが、そのA君は力仕事の手伝いとして、始めて上層階に上がってきていた。社長室の横にある秘書課を訪ねようとしていたのだが、初めてなので場所がよく分からない。
 「ええっと、ここが警備室で、こっちが会議室、特任幹部室の二つ向こう側が秘書課か」
 今から何か始まるのか、会議室に向かって何人かが出入りしている。その中にスーツ姿ではなく、明らかにドイツの軍服風の服を着た人物が歩いていた。
 「は?」
 一人は何となく社長っぽいのだがばさっと広がった白髪をかぶり、同じく白い大きな口ひげを蓄えている。おかげで何となくしか顔が見えない。だいたい社長の顔なんて入社式の時くらいしかみたことがない。
 「何の仮装だ、あれは?、うわっ!!」
 A君の後ろには、極彩色で顔を塗り上げた老人が立っていた。
 「あ、いや、どーもすいません」
 とっさに老人に頭を下げ、あわてて道を譲ると、老人はにやりとして去っていく。
 「失礼」
 次々に異様な人物が会議室へ入っていく。そこへかちゃりとドアが開いて出て来たのが少女と妙齢の女性の二人組であった。
 「………ごく」
 今度は肌を露出した大小の二人組。少女の白い腹部と二の腕がまぶしく、女性の胸と腰の迫力に圧倒される。
 「行ってらっしゃいませ」
 「がんばれー」
 えらく脳天気な応援が、開いたドアから聞こえてくる。その方向につい目をやると、そこから顔を出した娘と目が合った。どう対応すればいいのか分からないまま、ぼけっとしているあいだにその女性はウインクして引っ込んでいく。
 「???」

 「おい、どうした?」
 気がつくと誰かが肩を叩いていた。そこにいるのは、見覚えのある同じ課の一年先輩であった。
 「ぼさっとしないで行くぞ、ほら」
 「は、はい」
 先輩と一緒に行けば迷うことはあるまい。先輩の後ろを駆け出しながら、今見たものが、何なのかを聞いてみる。
 「あの、先輩?」
 「なんだ」
 「いま、特撮のような人たちをみたのですが、………自分の言ったこと分かります?」
 「ん?、あー今日は水曜日かそうだな、GTX団の会合があってる頃だな」
 「GTX団って?」
 「ん、ああ?、なんだ知らないのか、教育係は何してるんだ全く!」
 先輩は当たり前の用につぶやいた。よけいに意味が分からない。
 先輩はしばらく考えると、新入社員に言った。
 「まあ、いまは余り気にするな。そのうちおまえの教育係から教育されるだろう。だけどこれは社外に漏らすんじゃないぞ、この件は企業秘密だからな」
 「は、はあ」
 とりあえず夢や幻ではないらしい、それよりも先ほどの二人組の肢体が新入社員A君の脳裏にかなり強力に焼き付いていた。あの二人の写真か何かあると、童貞の一人の夜に重宝するのだが。
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SteelGirl はるみん、3話、対決!!サイボーグVSパワードスーツ part2

2010/01/19 17:26
part2

「パワードスーツ?、本人がそう言ったのね?」
「はい、コンクリートの壁ぶち壊してましたから」
「ふむ」

 和美は、はるみんから前回の戦いの詳細を聞いていた。研究所とその周りの民家がいくつか吹き飛んだため、はるみんロボは、NTL.HIの、とある工場の隅っこを間借りして置かせてもらっている。和美から、工場の方へ行くように連絡を受け、NTL.HIの敷地に飛び込んだところ、ちょっと目測を誤って工場の屋根を突き破ったが、その程度なら、仕事を始めた工員さんが美しい青空をみて、ちょっとびっくりするだけであろう。

 そして、ここははるみんのお家の庭の一角にある、工事用プレハブで組み立てられた橋本研究所。横田と三沢が時々入ってきては、前の研究所のいろいろな資材を拾ってきては運び込む。6坪形の工事用プレハブは、時々、一輪車でがらがらがらーっと運び込まれるガラクタでだんだん一杯になってきた。それにしても、いまどき住宅地の一軒家で、さらにプレハブが立てられる大きい庭を持つとは、はるみんの家もなかなかのブルジョワである。

「パワードスーツの娘か、GTX団の幹部かしら、NTL情報研でもたいした情報はなかったのに、ずずっ!!」

 最後の擬音は和美がカップ麺をすする音である。昨日やっと電気工事屋さんが来て、電灯程度は点けられるようになり、はるみんの家の庭の水道から水をもらい、湯沸かしポットでカップ麺くらいはいただけるようになったのである。もっともそんなことはどうでも良いので話を戻すことにする、
 
 ある程度余裕の出来た和美は、はるみんから改めて状況を聞き始めていた。あのときにあらわれた謎の少女。一瞬で、戦闘とは全く縁のない和美たち4人をたたきのめし、行動不能に陥れた謎の少女は何者なのか。GTX団の関係者だろうが、今までの連中とは雰囲気が違う。

「ずずっ、ずぞぞっ、こくこくこく」

 カップ麺の汁をすすり終わって、至福の表情をみせる和美。それで、何をしていたのかをすっかり忘れて、ほやーっと目を細める。

「ずいぶん、質素な食生活ですね」 
「あー、幸せ、吹き飛ばしたご近所へ謝りに行って、被害交渉と本社への折衝でかけずり回っていたから、温かいご飯なんて久しぶりい。椅子に座れるっていいよねえ、ずっと立ったままだったから腰が痛くって」
「それでいなかったんですか、おかげで私は勉強せずにすんで、助かりました」

 それを聞いて和美が口を尖らせる。

「えー、少しは勉強しないと駄目だよ」
「もう、当分勉強はいいデス………」

 さりげなく視線をそらし、ポケットの携帯電話をもてあそぶ。義体免許と歩行ロボット免許、学校の勉強とは違うガチの勉強は、すっかりはるみんのトラウマになっていた。もう一度勉強しろと言われるよりは、GTX団の秘密基地に特攻する方が遙かに気楽だろう。

「そのうち、学校の勉強も見てあげるからねー、NTLに入社してくれるといろいろと便利なんだけど」
「それは勘弁して下さい」

 積極的に文系の科目が好きで文系に進むのなら、それはそれでよいことだが、勉強をしたくないという消極的な理由で文系コースにいるはるみんが、ばりばりの理系会社に進むのは、かなりつらいことであろう。

「むー、給料もらわないと、ご飯食べられないよ、あ、そうそう、久しぶりに時間が空いたから、お買い物して何かおいしい物食べようかな」

 至福の表情を見せる和美に、はるみんがいらっとする。口元がちょっとぴくっと動いた。

「ああ、そうですか、わたしご飯食べられないですけど、よかったですねっ!!」
「あ!!」

 鋭くなったはるみんの言葉に、和美が凍り付く。姿勢はそのままだが、しまったという顔になる。

「ご、ごめん」
「いえいえ、気になんてしてませんから、関係ないですよ」

目をそらしているが、明らかにふくれている。背中を向けたはるみんの肩はわずかに震えていた。それをみて和美がおそるおそる声を掛けようとする。

「あ、あのー」
「あ、もういかなきゃ」

 アニメキャラのついた腕時計を見てはるみんは声を上げた。はるみんはブレザーの制服の若干目のやり場に困るミニスカートをふわりと翻して立ち上がる。

「あのー、もしもし」
「行ってきます」

 目を合わせないまま、すたすたと立ち去ろうとする。なんどか声を掛けようとしては踏みとどまり、また口を開こうとしてはやめる。しかしはるみんのその寂しそうな背中をみて、ついに和美は口を開いた。

「ごめん、実はまだ言いたくなかったんだけど」
「はあ、なんでしょうか?」
「実は」
「なんですか、急ぐんですけど」

和美ははるみんの前に立って、ほおをなでた。

「なんですか、気持ち悪いなあ」

「実はね」
「はい」

 和美は軽く息を吸うと、一気に話した。

「あなたには食べ物を味わうことができるの、消化吸収は無理だけど」
「は?」

 はるみんの持つ鞄が、手から離れて地面に落ちた。
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SteelGirl はるみん、3話、対決!!サイボーグVSパワードスーツ part1

2010/01/13 20:52
これはお話のパートの一つである。今回、ブログに書いてまとめた物をHPに載せるという手法を採ってみたいと思う。よろしければお付き合いよろしくお願いしたい


SteelGirl はるみん、3話、対決!!サイボーグVSパワードスーツ

part1

 文字通り、典型的なステレオタイプの大豪邸。
 その一画のこれまた豪華な寝室に眠るのは例の謎の少女である。そのあどけない寝顔のうえに、カーテンの隙間から一筋の朝の光が差し込み、その柔らかな光はすでに朝であることを示していた。

 ここで豪華な室内をいろいろ描写したいのは山々なのだが、当方のような貧乏人には上流階級の豪邸など見当も付かない。従って細かい描写などは読者諸兄に適当に想像してもらいたい。なお、この話はフィクションであり、どこかでみたことのあるような名前があっても、ただの再利用なので余り関係はないはずである。
 
 やがて、静かにドアが開かれ、かすかなワゴンを押す音と足音が聞こえてくる。もちろんメイドさんである。
「ん」
 例の謎の少女は羽毛布団にくるまったまま、寝返りを打った。ふと室内が明るいのに気づき、ゆっくりと薄目を開く。
 その期を逃さないように、メイドはさっとカーテンを開いた。
「んっ」
 いきなりまぶしくなった朝の光に耐えかねて、一度は開きかけた目をきゅっと固く閉じる。
「おはようございます、お嬢様」
 まだ、意識は半分夢の中である。しばらくの間逡巡していたが、ついにこの気持ちの良い夢の中に居られなくなって、少女は渋々小さく言葉を返した。
「お、おはよう、木原さん」
 メイドはにこりと笑うと、そっと枕元に赴いた。そして少女の背中に手を入れて支えようとする。
「大丈夫よ、ありがと」
 少女は軽く首を振ると、自分でそっと体を起こした。
「御髪をいただきますね」
 木原メイドは少女の顔を蒸しタオルでそっとぬぐい、黒髪を梳った。黒髪がさらさらと流れ、寝起きのちょっと乱れた髪が美しい光沢を持ってそろえられていく。
「木原さん」
「はい」
 じっと髪をそろえられながら少女はメイドに声を掛けた。メイドは手を止めずに返事をする。
「例のロボットのことなんだけど、あれ、ラインにまわすようにお願いしていいかしら」
「あれですか」
「ええ、あれよ」
 木原が吹き出すのをこらえるようにつぶやく。少女もいたずらっぽい笑顔を浮かべていた。
「大旦那様は驚くでしょうね」
「ええ、でもかまわないわ、ギガテックスの管理は私だけでやりなさいと厳命したのはおじいさまだもの、経営管理の勉強のためにそうおっしゃったのでしょうけど、私の管理する株式配当から回すようにすれば、経営には全く影響はないわ」
「GTX団はそれで動いているんですものね」
「え、ええ」
 GTX団という言葉を聞いて、少女は少し暗い顔になる。
「………………」
 しばらく無言となって考え込んだ後、少女は不意に尋ねた。
「ねえ、木原さん?」
「はい」
「GTX団のこと怒ってない?」
 メイドの手が止まった。しかしそれは一瞬のことですぐに優雅な動きがよみがえった。
「わたしは………お嬢様の悲しみはわかっているつもりです。良いか悪いかはまた別のこと、旦那様、奥方様を守れなかったこの社会に義理などありません。お嬢様の考えに地獄までついて行きます」
「ごめんなさい」
それきり二人は無言になった。やがて髪がきれいに整えられ、少女はベッドを降りる。
「朝食は食堂でなされますか?、こちらにお運びしても良いのですが」
「ええ、今日は食堂の方にするわ、いろいろとやることもあるし」
「それでは着替えと補助スーツを」
 ぱたぱたとパワードスーツを運ぼうとするメイドを少女は制した。
「いえ、着替えだけでいいの。しばらく自分の足で歩きます」
「は、はい」
 少女はすこしふらふらと揺れながら、自分の足で立ち上がった。メイドは少し心配そうにその手を取り、手早く着替えを済ませていく。
「大丈夫ですか?」
「ええ、出来るだけ動くようにしないと神経が繋がらないから」

 少女の両足は、両親との移動中の事故で動かなくなっていた。思い出すのもおぞましい仕組まれた事故。それは政界でのごたごたから始まり、両親の命と少女の両足を奪ったのである。
 奇跡的にも少女の命は助かったものの、両足を切断しかねないほどの大きな被害を受けた。金に糸目を付けない高度な治療で、かろうじて両足を失うことは避けられたが、度重なる精密な手術にもかかわらず、まだ神経が一部しか回復していない。

 思うように動かない両足を一歩一歩ゆっくりと進める。無意識に歩くことはまだ出来ない。使い慣れていない道具を考え考え使うように、心の中でイメージしながら、別の物を操作するようにゆっくりと動かしていく。





 
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明けましておめでとうございます

2010/01/07 19:16
 明けましておめでとうございます。
 今後とも代わり映えのしないネタを遅遅としたペースでやっていくことになると思いますが、どーぞよろしくお願いします。

 えー、waveletの方をいろいろやっていたのですが、年末年始に時間が空いてしまって、プログラムの構造が頭から抜けてしまいまして、復旧までには時間がかかりそうな状況です。音声分析に関しては、専門ではないので余り資料の持ち合わせが無く、近所の図書館で一冊それらしいのがあったのみ。もうちょっと勉強するためには、アマゾンあたりでいろいろと買いあさる必要があるかなと思っています。

 それで、勉強はともかく(オイ)として、ぽつぽつとまたお話の方も書きたくなってきたのですが、余りまとまった時間が取れないこと、自分でもどこまで書いたか分からなくなること、時間によって書ける場所と時間が刻々と変わってしまうことから、こちらのブログの方に書き込んでみてはどうかと思いつきました。ここなら携帯でも書けますし。ただ携帯はどえらく打ち込みがめんどくさいので、どうなることやら。小さなネットブック欲しいなあ。ノートパソコンは一台は持っているのですが、たまの電車移動の時に広げられるほど小さくはありません。車運転してるときはまず無理ですし。

 年末から正月にかけては親戚の家を転々としてまして、暇をもてあましたあげく、近所の遺跡巡りなんぞをしておりました。卑弥呼ネタ(台与ネタ?)でお話を書いたことがあるので、古代遺跡はわりと好きです。初詣に行く気はないのに古い神社を回ったりしました。
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携帯で撮ったのですが古墳がでかすぎて入らない………

台与ネタで調べると、割と近くに豊姫神社があるんですよね。こんどいってみようかな。
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車輪の再発明 −wavelet周波数分析

2009/12/07 19:48
かなり長い間ご無沙汰しています。adjustです。
引っ越しやら、怒濤の仕事の集中で地獄を見ていました。そのなかで暇を見つけてはちょっと興味のあることをぽつぽつと手がけていたのですが、生存報告のついでにすこし書かせていただきます。

前回、vocaloid,UTAUにはまってしまって、音声の分析に興味があるようなことを書いてしまいました。スペクトル分析は、はっきり言って腐るほど研究がされていて、いまさらやったって何の役にも立たないわけですが、興味がわいてしまったので、いろいろ自己流で分析が出来ないかとやってみました。とりあえずやってみたのがこれです。小さすぎて見えないときはクリックして拡大してください。

 
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UTAUのテトの声ファイルから”か”のファイルを取り出して手作りのwaveletスペクトル分析ソフトウェアでスペクトルを取り出してみました。ちなみにこの分析に10分以上かかります。(Core2DuoE7400+VB6)

はじめは常識の範囲で細かく分析して、状況が分かったら無駄な処理を省くつもりなので、今の段階ではものすごく遅くなっています。でも本質的には計算量が必要なのは変わりませんので、改良しても一桁以上早くなるのは難しいでしょう。一つ処理するのに一眠りできます(笑)、………つかえねえ。

横軸が時間、縦軸がスペクトルになっています。一番下が27.5Hzで赤線ごとに1オクターブずつ上がっていきます。つまり周波数的には2倍になっています。最下層の1オクターブ分は計算していません。時々黒の中に横方向の白線が入っているのは、画面の拡大に応じて伸縮拡張したときの計算誤差です。本当はデータが途切れ無く続いているのですが、表示の時に間が空いているだけです。

一番下が27.5hzで、したから最初の赤線が55Hz、順に110Hz、220Hz、440Hzと倍に増えていきます。
下から最初に出てくる薄い黒線が多分声帯の振動数ですね。男性だと100Hzくらい、女性だと300Hzくらいといわれています。

下から3番目の線が一番濃いようで、これが音程を決めている主要フォルマントでしょうか。

高音域になると、音が波打っているのが分かります。濃淡が波打って出て来ますね。これは声帯の破裂音が出て来ているのでしょう。声帯が震えるたびに高音域のパルスが発生するわけですが、声帯の振動数で振幅変調をかけたような感じになってますね。

この分析にはWaveletを使用しました。FFTでは適当な窓を設定して、その窓を移動することで時間方向の解像度を上げていくわけですが、waveletの場合、周波数に応じてマザーwaveletが伸縮するので、可変窓という扱いで使用しました。時間軸方向にはわりと見やすくなったのではないかと思います。

ただフーリエ分析に必須の問題なのですが、窓を広くすると時間軸方向(横方向)の像がボけ、窓を狭くすると、周波数方向の像がボけます。この分析では6波長のwaveletを使用しています。

分析が進むようであれば、またいずれ書きたいと思います。放り出す可能性も多大にあります(笑)
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いまさらながらVocaloidとUTAUにはまった時代遅れ人間

2009/06/30 23:26
 今更ながらニコ廃になりそうなダメ人間です。
 ミク歌はよく聴いていたのですが、世の中より3周くらい遅れて重音テト声にはまってしまいました。
 ヤマハVocaloidエンジンはさすがに質が良くて、人と比べて多少弱いところもありますが、良い調教をすればかなり良い声を聞かせてくれます。重音テトはUTAUという飴屋/菖蒲氏の制作した歌唱ソフトウェアによって生成される音源です。いくつか聞いてみると、ズコー音と言うらしいですが、特有の響きが残念な状態にあります。
 とはいえ初期型と比べるととんでもなく進歩していますし、慣れてしまうとかなり聞き取れる状況ではあります。
慣れてしまうことをテト耳と言うらしいですが(笑)
 で、当方が何を考えているかというと、もっとテト声の歌が聴きたい、テト声をもっと良くする方法はないかと妄想しているわけでございます。

 UTAUは音源となった人の声を取り込んで、主要音素(フォルマント)をシフトさせることで声の高さを変えます。これは重要な基本原理で、おそらくヤマハVocaloidでも近いことをしているはずですが、何かちがいますし、それはおそらく重要な特許になっているのでしょう。
 UTAUの特有の響きの原因は、余計な部分までシフトさせているか、または必要な周波数領域をシフトさせていないのかもしれませんが当方には不明です。ただ、元の音源が自然音のため、しっかりと分離するのは非常に難しく、原理上完全に分離するのは不可能であるとも言えます。第1フォルマントと第2フォルマントをシフトさせれば音程を変えられるという基本原理はありますが、それが自然な声のままで変えられるという保証はありません。

そのため、まず何が問題なのかを探る必要があります。そのため。できるだけ鋭い周波数分解能と時間分解能をもつスペクトルの可視化を考えています。

 この周波数スペクトルを扱うためにはフーリエ変換を使いますが、この手法自体は非常にありふれたものでFFTやDFT、DCTなどの変換アルゴリズムが存在します。これらによって音声スペクトルを生成させ、そのスペクトルからフォルマントを検出し、フォルマント部分を切り出してシフト、合成することになります。スペクトルは原理上、各周波数の線の集合体として生成されるはずですが、実際には各線がある程度の幅を持ち、包洛線に近いスペクトルとして検出されてしまいます。何が問題かを知るためには、スペクトル変換の時間分解能を高くすることが必要ではないかと考えます。ただ、FFTの場合、時間分解能を高めるためには窓関数を用いてFFTの範囲を限定するわけですが、周波数に対して窓を小さくしてしまうとうまく検出できなくなります。これも基本原理なので回避できません。

 周波数に応じて最低限必要な窓関数の大きさが限定されてしまいますので、ウェーブレットを試してみたりしていますが、ウェーブレットは位相情報にも左右されますので、当方式勝手に修正版ウエーブレット変換プログラムなんてのも作ろうとしています。こんなとき普通はどうするんでしょうね。もしこれをお読みの方で分かっておられる方がいましたらご教授くださいませ。
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